1980年代後半に多くのアーティストがカバーした「ZOO」でデビュー。
その後、バラエティ番組やドラマの挿入歌がヒットし、人気アーティストの仲間入りをした川村カオリさん。
ご存知の方も多いでしょうが、川村カオリさんは2009年に38歳の若さでこの世を去りました。
彼女が生前どのような結婚をして、旦那さんやお子さんと過ごしてきたかを調べていきます。
川村カオリの幼少期
川村カオリさんは1971年、日本人のお父さんとロシア人のお母さんとのハーフとしてモスクワで生まれたそうです。
デビュー当時の写真を見てもわかるように、お母さん落ちを濃く受け継いでようなきれいな欧米系の顔立ちですよね。
でも、この顔立ちのせいで、川村カオリさんは辛い目にあうことになります。
11歳まではソ連(今のロシア)で過ごし、日本にやってきた時です。
転校した小学校では「ハーフ、混血」「純粋な日本人ではない」という理由でいじめにあったそうです。
その行為はだんだんとエスカレートしていき、給食にゴミや虫などを入れられたこともあったといいます。
子供の頃は、「目立っているから」とか、「普通の人とどこか違うから」という単純な理由でいじめをしてしまいますが、やられた側が抱える傷はいつまでも癒えることはありません。
川村カオリさんもが中学生になった頃に、ソ連機による大韓航空機撃墜事件が発生、多くの日本人客が犠牲になりました。
この時は、生徒ばかりでなく、教師からも心無い言葉を浴びせられることとなり、川村カオリさんは学校というものに大きな不信感を持つことになったそうです。
歌手デビュー
その見た目から小学校、中学校といじめを受けてきた川村カオリさん。
高校生になると、学校そっちのけでライブハウスに出入りするようになったそうです。
きっと、なんともしがたい自分の気持ちを、音楽が代弁し癒してくれたのでしょう。
日本の高校は中退し、イギリスに渡ります。
イギリスでもライブハウス通いは変わらなかったそうです。
途中、イギリスの高校に編入し、無事卒業します。
卒業とともに帰国した川村カオリさんにチャンスが巡ってきます。
自身もECHOSというバンドを組んで音楽活動をしていた作家でもある辻仁成さんのプロデュースで、歌手デビューするのです。
その後深夜ラジオのパーソナリティーを務めたり、挿入歌となったバラエティ番組に準レギュラーとして出演したり、逆にその容姿から、雑誌ショーのモデルとして活躍することにもなったそうです。
音楽と出会うことによって、川村カオリさんの人生は大きく転換したといえるのではないでしょうか。
川村カオリの旦那
川村カオリさんは1999年にギタリストのMOTOAKIさんと結婚します。
2001年には女の子も生まれ、順風満帆な生活になるかと思われました。
しかし、2003年には別居が始まり、2007年には残念ながら離婚してしまいます。
離婚が報道されたときに、川村カオリさんは「子供を産んだのが1番の転機。彼は表現者として、私は母でいることを選んだ」と方向性の違いから距離が離れていったことを明かしています。
「何回も歩み寄ろうと話し合ったし、やれることは全部やったと思っているので、悔いのない形で潔く、2人で離婚届を提出しに行きました。笑いながら」と、努力を重ねた上での円満の別れを強調しています。
子供が生まれることで女性はお母さんになっていく一方で、いつまでもお父さんになりきれない男性も少なからずいます。
家庭を顧みないとまではいかないでしょうが、モトアキさんはお父さんとして家庭に入ことができないタイプだったのでしょうね。
川村カオリさんは2004年に母親と同じ乳がんが発覚するのですが、その時のMOTOAKIさんの対応もあまり良くなかったようです。
やはり離婚時の報道で、川村カオリさんは「入院や手術などで、妻としてそばにいてほしい、助けて欲しいという気持ちが強かったんですが、それを得られなかった寂しさは多少離婚に影響していますね」と女性としての本音を明かしています。
お子さんまでもうけた男性ですから、嫌いにはなりきれないでしょうけれど、自分がとても大変なときに手を差し伸べないでいられたら、ちょっと幻滅してしまいますよね。
ただ、モトアキさんは川村カオリさんが亡くなったあとのInstagramに誕生日をお祝いしている写真を載せていたりします。
いなくなったからこそ、その大切さが身に染みてわかったということなのでしょうか?
これからも、MOTOAKIさんには忘れないでいて欲しいものです。
川村カオリの娘
川村カオリさんが2001年に生んだ女の子は「るちあ」さんといいます。
娘の現在の年齢は16歳です。
お母さんがハーフなのでクォーターになりますね。
大きくニュースになることがないので、芸能活動はされていないと思われます。
ですが、ミュージシャンである両親の血を受け継いでいますから、鮮烈デビュー!となるかもしれませんね。
川村カオリさんは自分が亡くなる2009年の5月、生涯ラストとなったライブを開きます。
そしてその前、るちあさんに宛てて手紙を書いています。
ここに川村カオリさんがるちあさんに抱く気持ちが詰まっています。
『今、隣で寝息をたてて眠っている娘へ。
ママはガンという病気と闘っています。ママのママもそうでした。
あなたがこの病気にならないように願わない日はありません。きっと大丈夫。
自分の体は自分で守るんだよ。
ママはいろんなことを想像します。来年もバレンタインのチョコレートを作るのかな?
友達と喧嘩した時に、仲直りを上手にできるかな・・・。
ぶつかってもいいから、ちゃんと話し合うんだよ。BFを紹介されるのはいつだろう。
友達の家に泊まるって言われたら、ドキドキしちゃうな。
どんな仕事に就くのかな?何でもいいよ。
あなたが楽しいと思えるなら。
何歳で結婚するのかな?結婚式は絶対にする事!
どんな母親になるのかな?あなたの事を考えていると、時間があっという間に過ぎていく。
あなたが生まれてきてくれて良かった。ママに沢山のことを教えてくれて、ありがとう。
ママの子供になってくれて、ありがとう。病気になって闘っていたのは、ママ一人じゃなかった。
あなたも闘ってくれていた。あなたは私の小さな戦友だった。
あなたにこれから起こる、全てを見届けたい。ママは頑張る。
生きるんだよ』
るちあさんがこの手紙に書かれているように、時にケンカをしながらも人とふれあい、優しい恋人とめぐりあい、自分が楽しいと思うことをやって、幸せになっていることを願います。