今回は漫画家の水野英子についてみていきましょう。
水野英子について
水野英子さんは少女漫画の長編ストーリーを発展させ、1960年代までに戦後のロマン的少女漫画の基本形を確立した漫画家です。
男女の恋愛を少女漫画で初めて描いた作家といわれるほどの有名な漫画家さんで、ロック漫画『ファイヤー!』は少女漫画の枠を超えて話題を呼びました。
また、男性漫画家が少女漫画を描くことが多かった時代に新しい風を吹かせ、水野英子さんの登場によってほとんどの少女漫画は女性によって描かれるように変わっていきました。
そんな水野英子さんの結婚した夫や子どもについて調べてみました。
水野英子は結婚しているの?
水野英子さんは旦那さんがいると思いきや、実は結婚したことはありません。
1970年代初頭、『ファイヤー!』の連載終了直後、未婚の母になることを公表し、男子を出産。
スポンサーリンク以後、独りで子供を育て上げるが、育児のための時間的制約から、10数年間にわたり週刊誌での長編連載が不可能となり、仕事を読み切りや月刊誌中心にシフトした。
なんと、お子さんをさずかったものの、結婚することがないまま1人で育てていくことを決意していたのですね。
水野英子と旦那さんとの間に子供はいるの?
いまでこそシングルマザー向けの制度が拡充されてきていますが、当時はまだ未婚の母に対する風当たりが強く、仕事と両立するのはかなり苦労したようです。
執筆活動と両立しながら女手一で息子を育て上げ、現在は水野英子さんのマネージャーのような仕事をされているようです。
苦労を乗り越えながらも、母子二人三脚で頑張ってきたのですね。
水野英子の父親について
水野英子さんは 山口県下関で生まれ育ち、早くに両親を亡くしています。
そのため、祖母の手によって育てられてきました。
本が大好きで小学校3年生ですでに大人が読むような文学を好んで読んでいたそうです。
絵を描くのは得意だったが、その日から手塚作品をお手本に独学で漫画を描き始めた。
水野英子の若い頃は?
水野英子さんはもともと文学少女でしたが、小学3年生のときに手塚治虫さんの『漫画大学』に衝撃を受け、漫画家を目指すようになります。
中学生のころから雑誌『漫画少年』に投稿を続けていたが、佳作止まりで入賞することはなかった。
しかし、審査員の手塚が保存していた水野の投稿作を偶然目にした『少女クラブ』編集者の丸山昭が水野の作品を気に入り、その場で手塚が水野の投稿作を褒めたことから、丸山が水野に原稿を依頼することになった。
この時、水野は郷里の下関で漁網会社に就職を決めたばかりであり、デビューからトキワ荘に移るまでは兼業漫画家だった。
その才能は早くから開花し始めており、15歳で漫画家デビューしました。
『銀の花びら』『星のたてごと』『白いトロイカ』はヨーロッパの古代中世や帝政時代を舞台に、ダイナミックな物語を華麗な絵柄で書き上げて人気を博しました。
当時の少女漫画の定番だった親子の生き別れ物語や友情物語などの作品とは一線を画した斬新な作風だった。
そのため、こうした歴史上の時代を背景にして壮大な西欧ロマンを描いた作品は、しばしば「水野調」と呼ばれるようになった。
少女漫画史に残る偉大な漫画家さんなのですね!
水野英子とトキワ荘って?
水野英子さんといえば、漫画界の巨匠・手塚治虫さんが住んでいた「トキワ荘」唯一の女性作家なことでも有名です。
手塚治虫さんが住んでいたことがきっかけで、若手の漫画家が住み始めたアパート「トキワ荘」。場所は南長崎にあるようです。
「そのころトキワ荘に住んでいた赤塚不二夫さんと石森章太郎(のちの石ノ森章太郎)さんと私の3人でU・マイアの名で合作を連載することになったんです。
当時は漫画誌は新鮮な描き手を求めていた。
そこで丸山さんが、石森さん、赤塚さん、私の3人で謎の漫画家として連載することを思いついたんです。
石森さんも赤塚さんも当時は少女漫画を描いていましたが、やはり女の子を描くのは少し苦手だったようです。
そこに私が加わったら、新しいものができそうだと期待されたのです。
雑誌でいつも作品を読んでいたお二人と、いきなり対等な立場で合作を執筆するなんて、それはもう天にも昇る心地でしたよ」
赤塚不二夫さんなどの超有名漫画家の原点が、この「トキワ荘」にあるのですね。
「ありがたいことに、手塚先生は作品の中で漫画の描き方を伝授してくれていたんです。
手塚先生がいなかったら漫画家・水野英子は存在しなかったでしょう」
「後から聞いたことですが、手塚先生の担当だった丸山さんが先生の仕事場で私が以前に投稿した原稿を見つけたそうです。
『これはなんですか?』と聞く丸山さんに手塚先生は『この子は有望だから、育ててみたらどうか』と言ってくださったとか。本当にうれしかったです」
水野英子さんの背景には手塚治虫さんといった偉大な漫画家がいたのですね。